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スペシャルレポート 2016 Vol.03 ページから音が聴こえてくる “ジャズ×青春”マンガ

ページから音が聴こえてくる
“ジャズ×青春”マンガ

――『BLUE GIANT』石塚真一インタビュー

 2013年より連載開始し、累計170万部を突破したマンガ『BLUE GIANT』。ジャズに出会い、魂を揺さぶられた仙台の高校生・大(ダイ)が、テナーサックスで世界一のジャズプレーヤーを目指す音楽青春マンガだ。著者は、累計480万部を突破し、小栗旬主演で実写化されたマンガ『岳-みんなの山-』でも知られる石塚真一。アメリカ留学時代にクライミングとジャズに出会い、いつかマンガにしたいと思っていたというその想いについて、お話をうかがった。

“やるかやらないか”なら必ず“やる”を選ぶ
普通の青年が努力の果てに世界一をめざす青春音楽マンガ

普通の人でも、やり続ければきっと“何か”になれる

――『BLUE GIANT』は、友人に連れていかれたジャズコンサートで衝撃を受けた仙台の高校生・大(ダイ)が、テナーサックスで世界一のジャズプレーヤーをめざしていく青春音楽マンガです。楽譜も読めないバスケ少年だった大を、主人公に選んだのはなぜですか。

はじめてジャズに出会ったときの衝撃を、大は追いかけて音を生みだし続ける(1巻)

石塚 大って、どちらかというと普通なんです。マンガの主人公というのは、モテなかったり勉強ができなかったり、何かが“ない”かわりにある方面での才能が突出して伸びていく、というタイプが多い気がしますが、大はそうじゃない。やり続けるという努力によって成長していく普通の男の子なんです。でもそれはたぶん、ぼくを含めてたいていの人がそうだから。普通の人が、何かになりたい、何かをしたいと強く思って挑戦していく物語を描きたいと思ったときに、大というキャラクターが出来てきました。
 ぼくは昔から「やり続けていればなれる」と思っていて。野球でも結局、バットをいちばん振っていた奴がうまくなると思います。だけどみんな、どこかでやらなくなる。たとえばぼくは『バタアシ金魚』というマンガに感化されてプールに通いましたけど、すぐにやめてしまった(笑)。もし本当にずっとやり続けていたら、オリンピック選手は無理でもきっと“何か”にはなれたはず。ひとつのものに打ち込む時期があったほうが、それがたとえ仕事に結びつかなかったとしても、人生を豊かにしてくれるんじゃないかと信じています。

――雨の日も雪の日も、大は川原やトンネルで毎日、ひとりでサックスを吹き続けます。自分だけの音を求めて練習を重ねる大のまっすぐさに周囲の人々も感化され、ジャズへの想いを揺り起こされたり、自分の道への決意を固めたりしながら物語が動いていきます。

石塚 連載を始めるときに決めていたテーマが「“やる”を選ぶ」でした。何かを決断する局面に立ったとき、“やるかやらないか”が五分五分なら必ず“やる”。分かれ道のたびに“やる”を選んでいったらどうなるか、それを描いていこうと思いました。ぼくは大のようにストイックな生き方をしてこなかったけれど、やってみたかったという想いはあります。大はうちこむタイプの人間で、とことんまでジャズのことを考えているので、とにかく毎日練習し続けることができる。そんな大を描きながら、尻を叩かれているような気持ちになることもありますね。
 実は、昔は青春という言葉が嫌いだったんですよ。『青春時代』という歌を聴いたときも子供ながらに「なんだ、このさむい歌は」と思っていました。だけど大人になってあらためて聴いてみると、なんてすばらしい歌詞なんだ、阿久悠すごい!と声を大にして言いたいぐらい沁みたんです(笑)。単純に年をとったということなんでしょうが、今は、青春としか呼びようのない時期が人生には確かにあると思っています。ぼくらにとっては些細に思えるようなことが、大にとっては譲れない一大事だったりするのは、彼が青春期にいるからかもしれませんね。

――ブルージャイアントとは青色巨星、あまりに高温なため赤を通り越して青く光る巨星を意味しています。大のサックスの師匠・由井が、世界一輝くジャズプレーヤーをブルージャイアントと呼び、大にその名を冠する夢を託すことから本作のタイトルはつけられていますが、このブルーには青春の「青」も含まれているのでしょうか。

石塚 あ、なるほど! では、そういうことにしておきましょう(笑)。青というのはぼくにとって重要なモチーフなんですよ。ジャズを表すのにたびたび使われるし、ぼくも好きな色です。ちょっと物憂げで繊細な印象もありますしね。

――ジャイアントも「大」の意味がありますし。

石塚 それも、たまたまなんです。「大」はいつか使いたいと思っていた名前でした。英語で自己紹介すると「I’m die.」(die=死ぬ)に聞こえるから、あまり縁起のいい名前じゃない。でもそれがかっこいいなと思って。「die」を直訳すれば「死ぬ」だけど、「一生懸命生きる」という意味も含まれています。ロッド・スチュワートの『Sailing』という曲に「I am dying」という歌詞があるんですが、それは「死にかけている」ということではなくて、「自由のために一生懸命に生きて闘う(そして死ぬ)」というニュアンスがこめられていると、ぼくは思っているんです。シンプルで覚えやすいし、いい名前をつけたなと思います。

ゆるやかだけど芯の強い、自由でかっこいいジャズ

――ところで、そもそも『岳』で登山を描いたあとに、ジャズをテーマにしようと思った理由はなんだったのでしょう。

石塚 浪人の末、やりたいことが見つからなかったぼくはワラにもすがる気持ちでアメリカの大学に進学したのですが、そのときに出会ったのがクライミングとジャズでした。マンガ家になったら題材にしたいと思っていたのもその二つで、『岳』を描いたら次はジャズ、とずっと思っていたので、今のところは二つとも描けてとても嬉しいですね。
 アメリカで最初に滞在したのはイリノイ州の田舎だったので、ジャズとはあまり縁がない土地だったのですが、1年後に移ったカリフォルニアの町には何軒かジャズバーがあって、聴きにいくようになりました。地元の新聞に毎日、出演者の情報が掲載されていて、学生でも気軽に出入りできる安さだったんです。
 行ってみたら、日本では味わったことのない空気が満ちていました。想像していたよりもずっと騒々しくて、演奏の迫力だけでなく、観客も声をあげてリアクションをしている。なんだこれはと驚きながら、わっと沸き立つその世界観をちゃんと見ておこう、忘れないようにしようと思いました。誰かと一緒に行くでもなく、ひとりで聴いては「いいなあ、いいなあ」と浸っていて。ソロ(※編集注:ジャズはセッションの途中に各楽器のソロ演奏が入る)のせいかもしれませんが、どのバンドの演奏も毎回全然ちがう。人となりというか、その人なりの音が出るんでしょうね、きっと。いい演奏に出会った日は、今日はいい日だったと感じられるし、あの日の彼のあれはよかったと思い出すこともできる。演奏の一つひとつが日記のようであり、宝物を眺めているような感覚でもありました。

――大のように、演奏を聴いて“打たれた”経験を味わったのですね。

大に出会い、ジャズへの情熱を思い出した師匠・由井。彼の音は周囲の人々の心を揺さぶっていく(4巻)

石塚 そうですね。何度か味わいました。あるとき、とても小さな会場でよぼよぼのおじいさんがステージにあがって、駄目だろうなと思っていたらとんでもない音を出したんです。ギャップもあいまって、この人すげえ!と大興奮して。どんな楽器でも、その世界に入り込んで吹き切る、弾き切る、叩き切る様を目の当たりにすると、胸が打たれます。ああ、いい音楽だ、って感じられる瞬間は何度もありましたし、それがジャズの“熱さ”なのかなと思います。それに、とにかくかっこよかった。クライミングもそうで、せっかくアメリカに来たのだから、ぼくがかっこよさを感じたその二つをお土産にしようと決めました。そして今、輸入業者のように、マンガに描いているわけです(笑)。

――作中で、大もよく「かっけー」と言っていますが、石塚さんにとってはかっこよさが重要な要素なのですね。

石塚 何かをかっこいいと思うことが、若いときは一番大事かと。青春時代に何かを切り開く入り口であり、大きな原動力ですもんね。かっこいいと思って憧れなきゃ、突っ走れないでしょう。見た目がかっこいい、それだけでもいいんです。スタッフには、イマドキの若者は「かっけー」なんて言わないと言われますが(笑)。
 昔のジャズプレーヤーって、スタイルにこだわる人が多かった気がします。たとえば、作中でも大が真似していましたが、ソニー・ロリンズはモヒカン頭でスーツを着てサックスを吹いていた。ピアニストのセロニアス・モンクは竹のフレームでできた眼鏡をかけてチャイナ帽をかぶって登場したり。ぎょっとさせられるけど、それも演奏を聴くときのスパイスになる。そのスタイルで奏でる音楽がこれか、という衝撃でまた魅了されるんですよね。大にテナーサックスを吹かせることにしたのも見た目で決めました。ジャズっぽい楽器って何かなと考えたときに、サイズ感も含めてテナーサックスが一番ちょうどいい気がしたんですよね。ソニー・ロリンズやジョン・コルトレーンというスタイリッシュで有名な奏者もいましたし、彼らもやっぱりかっこいいので。

――大の口癖に「ジャズってる」というものもありますが、ジャズっぽい、というのはどういうことなんでしょう。

石塚 たとえばタモリさんは存在も表現もジャズっぽいなあと思います。ゆるやかなんだけど芯があって、対応力が高い。瞬時に思いついたことが一番おもしろさを発揮する、アドリブが利いていて自由な感じ。それがジャズかな、と個人的には思います。以前、ハービー・ハンコックとウェイン・ショーターというジャズ界のレジェンドと呼ばれるプレーヤーと好運にも対談させていただいて(※7巻に収録)、大に何かアドバイスはありますかと聞いたら、ハービーに「オープンでいろ」と言われたんですよ。ジャズという音楽の根幹は「自由である」ということだから、って。なるほど、じゃあぼくも開かないとな、と思いました。
 ときどき読者の方から「あのシーンで演奏してたの、この曲でしょ」と言われることがあるんですけど、たいてい、全然ちがうんですよね(笑)。でもぼくは毎回、「そうなんです、なんでわかったんですか?」とか答えています。だってそれも、自由じゃないですか。ぼくの手から離れてみなさんの頭の中でそれぞれジャズが鳴り響いているなんて、こんなにうれしいことはないですね。

――1巻のあとがきマンガでも、「紙から音は出ないし、ジャズに勝ち負けもない。それでも描けるのか」という担当編集者とのやりとりが描かれていましたが、本作を読んでいると、不思議と音符も歌詞もないのに音楽が溢れだすような感覚にとらわれます。

石塚 ありがたいことにそう言っていただけることが多いのですが、それは本当に読んでくれる人の想像力のおかげです。ぼく自身は描きながらずっと不安なんです。プレイヤー達の音を、成長していく大の音をちゃんと表現できているんだろうか、読んでいる人に伝わるのだろうか、と。ただ、ぼくはたぶん常に不安を抱えていたほうがいいタイプで、そのほうが挑戦する意味を見いだせる。『BLUE GIANT』を始めるときも、最初は壁の高さを感じましたが、そうでなければきっと面白くはならないだろうとも思いました。
 確かにマンガから音は出ないけど、人間ドラマを描くことはできます。大や、大のまわりの人たちが、どんな想いで楽器を手にとり、音楽に向き合っているのかをちゃんと描くことができれば、きっと読者にも伝わるんじゃないかと思いました。ジャズ好きの方々に怒られたらどうしようと思っていたときもありましたが、ジャズ喫茶の方と対談したときに「プレイヤーになりたいと思ったのは初めてだ。このマンガはそう思わせてくれた」と言っていただけたことがあって、そのときは本当にうれしかったです。今は、ジャズが好きな年代の方たちにも「元気のいいマンガが出てきたな」と感じてもらえたらいいなと思っています。

挫折は負けじゃない。好きなものがあるだけで宝物

――その圧倒的な音に魅了され、大の周囲にはさまざまな人が集まります。とくに、上京した大が、才能あるジャズピアニスト・雪祈(ユキノリ)と出会いバンドを組むことになってからは、人間ドラマも大きく動き出しますね。

石塚 4歳からピアノを始めた雪祈は、大よりもずっと長い時間、真摯に音楽と向き合ってきている。才能もあるし、頭もいいので、最初はちょっとえらそうでいやな感じでしたけど、彼を魅力的に描かなくてはいけないというのは最初から気をつけていました。主人公の大と互いが互いの鏡となって影響し合うくらいの関係でなくちゃいけないと思っています。実際、バンドを組んだことで大の演奏は変わったし、雪祈自身もずいぶん変わりましたよね。
 ぼくは、いい音を奏でる奴はいい奴だ、と思いたいんですよ。励まし合うこともあれば喧嘩することもあるでしょうし、ときには憎むこともあるかもしれません。だけどそのすべてが成長の過程では必要かもしれなくて、たくさんの人と会い、いろんな想いをすることが登場人物の音をつくっていく気がします。だからいい音を生むためには、いい人間関係を築かなくちゃいけない。雪祈もまた、その一人ですね。

――もう一人のメンバーである玉田は、大の元同級生。2巻では「才能の世界で勝てると思う根拠はなんなんだ」と問うていた彼が、大の熱量に揺り動かされ、突如、ドラマーとして参加することになります。

大や雪祈を必死に追う初心者の玉田。だが彼の音を聴きにきてくれる人もいる(7巻)

石塚 玉田は初心者の代表みたいな人として描きました。楽器を触ったことのない人でも音楽をやっていいのかな、と思ったときに、やろうぜって背中を押してくれる存在。初心者で何が悪い、と思いながら描いているので、読者の共感をたくさん呼んでいるのも彼ですね。音楽なんてみんな、ヘタな初心者から始まるもの。当然のことなんだから、堂々とそこから始めればいいとぼくは思っています。

――大も作中で繰り返し、「ヘタクソで何が悪い」「そういう人たちを切り捨てていくからジャズは狭くなっていくんだ」と語っています。電車で知り合ったおじさんのトランペットを聴いてみたら、今まで聴いたなかで一番ヘタで、だけどそれがいいんだと感じ入るシーンもありました。

石塚 ヘタを許せなかったら、それで終わりになってしまいますよね。
 マンガという世界では、ぼくは大の側にいかなくちゃいけない人間です。ストイックに努力し続けて、自分だけの表現を見つけなくちゃいけない。だけどぼくは、マンガ家にはなれたけど、ジャズプレーヤーにはなれなかった。なりたかったですけど挫折して、もっぱらリスナーとして楽しんでます。ときどきサックスを吹いたりもするけど、このあいだ久しぶりに音を出したら「ぷすっ」て言いましたからね(笑)。音楽だけじゃない。ぼくの持っている趣味のほとんどがヘタで、ただ、好きなだけ。でもきっと、ほとんどの人がそうでしょう。スタッフの中にも、マンガ家になる夢をあきらめて別の仕事に就いた人もいますが、それは別に負けじゃない。挫折することは、ある一面では負けに見えるかもしれないけど、絶対にちがう。好きなものがあるというのはそれだけで宝物なんだということを、ぼくは丁寧に描いていきたいし、大にも言わせていきたいです。

――その想いは、毎巻末に「ボーナストラック」として収録されているおまけマンガにも表現されていますね。本編より先の未来、かつて大に関わった人たちが“当時”を振り返りながら“今”の大を語り、同時に彼ら自身の歩んできた人生も覗き見える。本作では、はっきりと語られない余白の部分にも物語が生まれています。

石塚 人生は、余白だらけだと思います。片づいていない問題ばかりのなかで、一つひとつをどうにかしようとしていたら押しつぶされてしまう。でも、それでもいいんだと思いながら、やれることをやっていくことが大事なんだと思います。
 あのボーナストラックは、ぼくにとってのジャズなんです。即興で感覚的に描いています。1巻からすでに、大が有名なジャズプレーヤーになっているようなことが語られるし、いきなりネタバレしてるじゃないかというところもあるんですが、挿入することで作品に独特の空気感みたいなものが生まれたのでよかったです。それに、人は意外と過程に興味があるんだなということもわかりました。大がどこにいきつくかではなく、そこに至るまでどんな道を歩むのかが大事なんだなと。ただ、そのぶん自分に対してのプレッシャーとなって跳ね返ってきてはいます。大を、ちゃんと“そこ”に辿りつかせなくてはいけない。なんだ、おまけページだけで完結したのか、と思われたらかっこ悪いですから、これからもしっかり大のあとを追いかけていくつもりです。

――すでに『BLUE GIANT』は完結し、現在は『BLUE GIANT SUPREME』が連載中です。大が単身ドイツに旅立つ、海外編ですね。

大と雪祈、そして玉田。3人の音楽は観客をどんどん沸き立たせていく(9巻)

石塚 普通のジャズプレーヤーなら、まずはアメリカに行くんですよ。ボストンにあるバークリー音楽大学というジャズの名門をめざすのが王道。師匠の由井さんも卒業生ですしね。大もいずれは行くかもしれないですが、とりあえずは別の場所に行かせたかった。いろんな生き方があってもいいんじゃないかと思いましたし、世界一になれる奴はどこに行ってもなるんじゃないかなと思っているので。だからアメリカでなければどこでもよかったんですが、ドイツは器が広くてなかなかいいらしいという情報を担当編集者がつかんできてくれて、実際に取材に行ってみたらいいところでした。冬だったのでとにかく寒かったんですが、ベルリンの街で黒いコートを着た大が、ひとりサックスを吹いてさむがっているところを想像したら、いい絵だなと思って。
 もともと仙台を大の出身地にしたのも、地方都市を舞台に、自然と音楽を組み合わせたい、というのだけがあって、たまたま担当編集者の地元が仙台でぼくも何度か訪れたことがあったんです。そしたらずいぶんと大きなジャズフェスティバルが毎年開催されていて。だからドイツもきっと、いい舞台になるんじゃないかと思います。

――ジャズをテーマにしていることで、海外の読者にも受け入れやすいと思うのですが、翻訳出版はされていますか。

石塚 今はまだ韓国などのアジア圏くらいですね。ときどきファンレターをいただきます。できれば欧米でも読まれてほしいとは思っていますが、自分でも描きながら「和」だなあと強く感じます。和製ジャズの雰囲気をどう受け取られるかも知りたいですね。
 ジャズの本場は確かにアメリカだけど、ジャズがテーマのフィクションって向こうにはあんまりないんですよ。かつて、登山家の植村直己さんが、はじめて冬季単独のマッキンリー登頂を果たしたとき、アメリカ人はみんな「やられた!」って悔しがったそうです。自分たちの国の一番高い山なのに、ジャパニーズに先を越されてしまった、って。だから次は、ジャズです(笑)。ぼくが最初に、アメリカでいちばん読まれるジャズ作品をつくれたらいいなと。……なんて、先の長い話ですし、大をちゃんと辿りつかせないといけないので、不安はありますけど。でも、ぼくは不安があるほうがいいタイプなので(笑)。
 もともとぼくがマンガ家になりたいと思ったのは、留学時代、マンガ『MASTERキートン』を読んでアメリカに考古学を学びに来たという学生に出会ったことがきっかけでした。誰かの人生を動かすなんて、なんてすごい仕事だと感動したのを今でも覚えています。だから、ジャズを聴きにいきたいと思えるだけでなく、あわよくばジャズをやりたいという人が生まれるような作品をこれからも描いていきたいですね。

(2016年10月17日、読売新聞東京本社にて/取材・文=立花もも、撮影=藤井 徹)

PROFILE

石塚真一いしづか・しんいち

1971年、茨城県生まれ。22歳から27歳まで米国に留学し、ロッククライミングや気象について学ぶ。帰国後、約1年の会社員生活を経てマンガ家転身を決意。2001年、『This First Step』にて小学館新人コミック大賞一般部門に入選。03年、『ビッグコミックオリジナル』に『岳 -みんなの山-』が掲載されデビュー。同作は第1回マンガ大賞、第54回小学館漫画賞一般向け部門、第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。11年には実写映画化された。13年より連載開始した『BLUE GIANT』は累計170万部を突破。15年にはJAZZ JAPAN AWARD特別賞を受賞している。現在、続編となる『BLUE GIANT SUPREME』を連載中。

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