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エンタメ小説 SUGOI 20
羊と鋼の森
作品名

羊と鋼の森

著者名
宮下奈都
出版社・出版レーベル
文藝春秋
刊行
2015年9月刊行

一度だけ聴いた美しい旋律が、少年をピアノ調律師へと導いた。行間から情緒が溢れだす、心の成長の物語。

STORY

北海道の山深い村で暮らす高校生の外村(とむら)は、ある日、体育館に置かれたピアノを調律しにきた板鳥(いたどり)に出会い、彼の奏でるピアノの音色に魅了される。それは、何かに強い執着や欲望を示したことのない彼にとって、人生を決定づける瞬間だった。板鳥のすすめに従い調律師の専門学校へ進学した外村は、卒業後、念願かなって板鳥の勤める小さな楽器店で働くことに。先輩の柳について研修を積みながら、お客の求める美しい音や、調律師としてのあるべき姿を模索し続ける。そんななか、外村は依頼人の家でピアノを弾く双子に出会い、姉の奏でる旋律に心を強く奪われる。

作品の魅力

タイトルの「羊」は弦を叩くハンマーが羊毛フェルトで作られていることに由来し、「鋼」は弦を意味する。つまり本タイトルはピアノの旋律が生み出す風景を表現しており、このような静謐で美しく、情緒豊かな表現力が本作の魅力なのだ。主人公の外村は、板鳥の旋律を聴いて森の匂いを感じ、眼前に風景が広がったような錯覚に陥る。調律師として働きはじめた彼は理想の音を求めるが、それは同時に、人生の美しさを追い求める行為に似ている。訪れる家庭によってさまざまに異なる旋律に触れながら、内側から豊かさと美しさを見つめ直していく、心の成長を描いた物語なのである。

DATA

・2016年、「本屋大賞」受賞。
・発行部数、50万部超(2016年時点)。

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