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エンタメ小説 SUGOI 20
世界地図の下書き
作品名

世界地図の下書き

著者名
朝井リョウ
出版社・出版レーベル
集英社 集英社文庫
刊行
2013年7月刊行

刊行年月は単行本が出版された年月になります。

今いる場所が苦しければ「逃げればいい」。児童養護施設に暮らす孤独な子供たちの懸命な姿と希望を描き感動を呼んだ話題作。

STORY

両親を交通事故で亡くした太輔(たいすけ)は叔父叔母に引き取られたが虐待にあい、小学3年生から児童養護施設「おひさまの家」で暮らしはじめる。同じ班の4人の仲間たちに次第に心を開いていった太輔は、トラブルを起こしたとき親身になってくれた年上の佐緒里(さおり)に特別な思いを抱き始める。それぞれが家庭の問題や学校でのいじめに耐えながら月日が経ち、高校卒業と同時に施設を出ることになった佐緒里。しかし彼女が希望する進路に障壁が生じたことを知った太輔たちは、ランタンに願い事を託して飛ばす「蛍祭り」を復活させようと作戦を立てはじめる。

作品の魅力

心理描写や人間模様の精巧な表現力を持つ直木賞作家が、児童養護施設の子供たちの希望への道筋を描き出し大反響を呼んだ作品。孤独と絶望を知る子供たちの研ぎ澄まされた感性と、理不尽な世の中や残酷な大人に対する冷静な視点の描き方が秀逸だ。“あるべき家庭がない”厳しい現実のなかで肩寄せ合いながら懸命に生きる子供たちの強さとひたむきな姿に心揺さぶられる。今いる場所が苦しいなら逃げればいい、未来地図の下書きは自分で描けるというメッセージを投げかけた本作品は、いじめや虐待問題が深刻化する社会に一石を投じた。

DATA

・2014年、第29回「坪田譲治文学賞」受賞。

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