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エンタメ小説 SUGOI 20
真実の10メートル手前
作品名

真実の10メートル手前

著者名
米澤穂信
出版社・出版レーベル
東京創元社
刊行
2015年12月刊行

鋭い洞察力で事件の真実に迫る女性ジャーナリストが主人公。名もなき人びとの思いを見事に掬いあげた直木賞候補作。

STORY

三重県で行方不明になっていた高校生の男女がともに遺体となって発見された。若いふたりの死は現場の地名をとって恋累心中(こいがさねしんじゅう)と名づけられ、マスコミで大々的に報じられる。現場に入った週刊誌記者の都留(つる)は、フリージャーナリストの太刀洗万智(たちあらい・まち)と合流し、関係者への取材を探り始める……。心中事件の意外な真相が明らかになる「恋累心中」、土砂災害から奇跡的に救助された夫婦への取材を通して報道のあり方を問う「綱渡りの成功例」など、全6編を収録。事件の痛みを引き受け、真実を見すえるジャーナリスト、太刀洗万智の活動を記録したミステリー短編集。

作品の魅力

ベンチャー企業の経営破綻や、駅のホームでの人身事故など、描かれる事件はどれも身近で、リアリティを感じさせるものばかり。6つのエピソードは現代日本に漂う空気を見事に切り取っている。関係者が見過ごしていた事件の真相が、太刀洗によって明らかにされる各話のラストシーンは意外性満点。読者の盲点をついた巧妙なストーリー展開に唸らされる。人生のほろ苦さがしみじみと胸に迫る珠玉作ぞろいだ。

DATA

・2016年、第155回「直木賞」候補にノミネート。

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