SUGOI JAPAN Award2016 マンガ、アニメ、ラノベ、エンタメ小説。日本のスゴイ!を、世界のスゴイ!へ。

マンガ SUGOI 20
夜廻り猫 今宵もどこかで涙の匂い
作品名

夜廻り猫 今宵もどこかで涙の匂い(1巻)

著者名
深谷かほる
出版社・出版レーベル
KADOKAWA
刊行
2016年7月刊行スタート

※巻数表記はノミネート作品のエントリー締め切り(2016年7月31日)時点のものです。現在は続巻が刊行されている場合があります。

うまくいかない人生を必死で生きて心で泣く人々に寄り添う猫。痛みと悲しみを知る者の強さと優しさを描いた祈りにも似たマンガ。

STORY

野良猫の平蔵(へいぞう)は夜になると街を歩き廻り「泣く子はいねが~」と心で泣いている者を探す。「ん? 涙の匂い」と彼が近づき声をかけるのは、生きづらい世の中で苦しみに耐え、悲しみに暮れる孤独な者たち。貧困の子供、いじめを苦に自殺しようとする学生、過酷な労働者、シングルマザー、独居老人など社会問題の渦中にいる者も多い。そこへふと現れて悩みに耳を傾け、時に食事を共にして励ましてくれる平蔵に、彼らは誰にも言えなかった本音を語り、愛する人に伝えたい言葉を口にする。そしてまた新しい朝がくるのを待つのだ。

作品の魅力

twitterで発表したマンガが口コミで広がり大反響を呼んだ本作。人生に行き詰まっている人にその場しのぎの説教やアドバイスなど決して口にせず、その存在を認め、生きる力を与える平蔵の奥深い魅力が読者の心を捉えて離さない。絶望と隣合わせの生活を送る人々が、それでも誰かを想う気持ちや今日を懸命に生きる姿も胸を打つ。平蔵が拾った仔猫をはじめとする野良猫仲間も愛情深く描かれる。作品全体から感じるのは人知れず孤独や絶望に打ちひしがれている人々へ向けた作者の“祈り”だ。本作を何度も読み返している読者が多いのはその祈りに救われるからだろう。

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