SUGOI JAPAN

NOVELS SUGOI 20
ビビビ・ビ・バップ
作品名

ビビビ・ビ・バップ

著者名
奥泉光
出版社・出版レーベル
講談社
刊行
2016年6月刊行

現実とバーチャル、人類とロボットが共存する21世紀末。女性ピアニストが巻き込まれる刺激的でちょっとレトロな大冒険。

STORY

21世紀末、世界中のデジタル機器が停止するという大事故を乗り越え、人類はバーチャルリアリティやAIの技術をさらに進化させていた。音響設計士として生計を立てているジャズミュージシャンの木藤桐(きとうきり/フォギー)は、仕事で付き合いのある世界的なロボット研究者・山萩貴矢(やまはぎたかや)からケープタウンにある彼の研究所に招かれる。そこでフォギーが目にしたものは、20世紀に活躍した落語家、将棋棋士、ジャズミュージシャンを精巧に再現したロボットだった。山萩からのある依頼が、フォギーを人類の存亡をかけた事件へと誘ってゆく。

作品の魅力

膨大な情報量に圧倒される小説。21世紀末の社会状況はもちろん、山萩が愛してやまないジャズ、将棋、落語、映画、演劇など20世紀の大衆文化に関する膨大な情報が盛りこまれている。ハイテクとレトロが融合した賑やかな未来世界の描写は、不思議な魅力に満ちている。特にフォギーが憧れのミュージシャン、エリック・ドルフィーと競演するシーンは感動的。本作の語り手を務めるのは、フォギーが飼っているアンドロイドの猫。その自由奔放な語り口は、夏目漱石の『吾輩は猫である』へのオマージュにもなっている。