SUGOI JAPAN

NOVELS SUGOI 20
東京結合人間
作品名

東京結合人間

著者名
白井智之
出版社・出版レーベル
KADOKAWA
刊行
2015年9月刊行

先天的に嘘をつくことができない者たちの間で起こった連続殺人事件。特殊なシチュエーションでの謎解きを描いた挑戦的ミステリー。

STORY

男女が体を融合させる「結合」という手段で生殖がおこなわれている世界。結合の結果、嘘を一切つくことができなくなった人びと(=オネストマン)の共同生活を撮影する映画の企画が立ちあがった。しかしロケ地に向かう途中で船は海難事故に遭い、7人のオネストマンは隠棲した画家が住む小島に漂着。島の宿舎に滞在することを余儀なくされた彼らの周辺で、連続殺人事件が発生する。嘘をつけないオネストマンの中に殺人犯が潜んでいるのだろうか。異常な状況下での推理劇が描かれてゆく。

作品の魅力

男女の結合によって生まれた結合人間(オネストマン)は、目を4つ、手足をそれぞれ4本ずつ備えた巨大な生き物だ。無数の結合人間が社会生活を送っている光景は、まるで悪夢のよう。これほど異様な世界を作りあげた作者のイマジネーションに圧倒される。と同時に、本作はこの設定でなくては成立しない本格ミステリーでもある。オネストマンの集まった島という特殊状況の中、論理的に真犯人を絞りこんでゆくシーンはぞくぞくするほど面白い。グロテスクで非道徳的、しかし小説としての出来映えは一級品。若干24歳の作者によって生み出された、異色のミステリーである。

DATA

・2015年、「本格ミステリ・ベスト10」(国内編)第8位。
・2015年、「このミステリーがすごい!2016年版」(国内編)第16位。