SUGOI JAPAN

MANGA SUGOI 20
夜廻り猫
作品名

夜廻り猫

著者名
深谷かほる
出版社・出版レーベル
講談社 モーニングKC
刊行
2017年3月刊行スタート

※ノミネート時の出版社はKADOKAWA(2016年7月刊)となっておりましたが、2017年3月23日に講談社より1巻(新装版)・2巻が同時刊行されたため、出版社表記等が変更になっております。

うまくいかない人生を必死で生きて心で泣く人々に寄り添う猫。痛みと悲しみを知る者の強さと優しさを描いた祈りにも似たマンガ。

STORY

野良猫の遠藤平蔵(へいぞう)は夜になると街を歩き廻り「泣く子はいねが~」と心で泣いている者を探す。「ん? 涙の匂い」と彼が近づき声をかけるのは、生きづらい世の中で苦しみに耐え、悲しみに暮れる孤独な者たち。貧困の子供、いじめを苦に自殺しようとする学生、過酷な労働者、シングルマザー、独居老人など社会問題の渦中にいる者も多い。そこへふと現れて悩みに耳を傾け、時に食事を共にして励ましてくれる平蔵に、彼らは誰にも言えなかった本音を語り、愛する人に伝えたい言葉を口にする。そしてまた新しい朝がくるのを待つのだ。

作品の魅力

twitterで発表したマンガが口コミで広がり大反響を呼んだ本作。人生に行き詰まっている人にその場しのぎの説教やアドバイスなど決して口にせず、その存在を認め、生きる力を与える遠藤平蔵の奥深い魅力が読者の心を捉えて離さない。絶望と隣合わせの生活を送る人々が、それでも誰かを想う気持ちや今日を懸命に生きる姿も胸を打つ。遠藤平蔵が拾った仔猫をはじめとする野良猫仲間も愛情深く描かれる。作品全体から感じるのは人知れず孤独や絶望に打ちひしがれている人々へ向けた作者の“祈り”だ。本作を何度も読み返している読者が多いのはその祈りに救われるからだろう。