SUGOI JAPAN Award2016 マンガ、アニメ、ラノベ、エンタメ小説。日本のスゴイ!を、世界のスゴイ!へ。

スペシャルレポート 2016 Vol.02 世界に躍進する日本コンテンツ、 海外での本当の実力は?

世界に躍進する日本コンテンツ、
海外での本当の実力は?

―― 椎名ゆかり、湊かなえインタビュー

 毎年、アメリカのAnime Expo、フランスのJapan Expoなど、日本のマンガ・アニメに関するイベントが海外でさまざまに開催されている。メディアでは、日本のコンテンツが海外から大注目を浴びているように報じられるが、実際のところはどうなのだろう。海外において日本のコンテンツはどのように認知され、評価されているのだろうか。
 北米における日本のマンガ事情に詳しい翻訳家・コーディネーターの椎名ゆかりさんと、昨年翻訳出版された著書『告白』が『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙をはじめとするアメリカのメディアから高い評価を受けている小説家・湊かなえさんにお話をうかがった。

〈躍進する日本コンテンツレポート:1〉
日本コンテンツは海外で本当に人気なのか?
――椎名ゆかりインタビュー

2015年開催の「Anime Expo」LA会場の様子。延べ16万人強が参加。

 経済産業省が推し進めるクール・ジャパン政策においても、重要なコンテンツのひとつである日本のマンガ。アメリカで注目されるようになったきっかけは何だったのだろうか。

「日本のマンガが、商業的にアメリカに輸出されるようになったのは80年代からです。80年代後半から『AKIRA』、90年代に『攻殻機動隊』『美少女戦士セーラームーン』『DRAGON BALL』などが人気となりました。ブームといえるのは2000年代に入ってからです。このブームのきっかけになったのは、TOKYOPOP社と今はないBordersという書店チェーンが組んで行ったキャンペーンでした。専用の棚を作り「100% Authentic Manga」(100%ホンモノのマンガ)というキャンペーン名のもと、日本のマンガであることを全面に出して売り出したのです。その後『るろうに剣心』や『BLEACH』などのジャンプ系作品が盛り上がり、今でも圧倒的に人気なのは『NARUTO』です。それから少女マンガが売れたことも注目を集めました。というのも2000年代当時、『セーラームーン』の人気は別として、基本的にアメリカでマンガを読むのは男性という認識が強く、女性読者は少ないと思われていたのです。ですが、『セーラームーン』に次いで『フルーツバスケット』が人気となるなど、少女マンガではファンタジー要素の入った恋愛ものに支持が集まりました。基本的には、アメリカでは人気アニメの関連商品のような位置づけでマンガが売れる場合が多く、アニメ化されない作品の認知度は低い傾向があります。
 一般にブームというのは一時の隆盛であり、いずれは去るもの。日本マンガのブームは2000年代中盤をピークに下り坂を迎えて、今の市場は当時の半分程度です。ただ、ここ1~2年は『進撃の巨人』が非常に売れていて、市場を押し広げています。90年代に日本のアニメが普及した理由のひとつに、ケーブルテレビの台頭があり、コンテンツを確保しようと日本のアニメが積極的に買われていました。それと同じ動きが今、アメリカではネット配信という形で生まれています。アニメが売れてくれれば、波及効果としてマンガも売れるので、日本のマンガの認知を高めるにも今が新たなチャンスかもしれません。」

 日本では人気の出たマンガがアニメ化されるのが一般的だ。何故アメリカではその立場が逆転し、マンガの認知度が低いのだろう。

「読むメディアよりも、アニメなどの映像コンテンツほうが影響力が大きいからではないでしょうか。アメリカのアニメやマンガのファンの中には、マンガよりもアニメのほうが日本作品固有の“お約束”が少なくて理解しやすい、と両者の差について説明する人も多いです。また、アメリカではマンガの文化的地位が低いんです。近年はその地位にも変化が見られると言われていますが、もともとマンガは子供が読むもの、語るに足らないものという意識が日本以上に強い。ものすごくざっくりとした数字でいうと、世界最大規模のアメリカのコンテンツ市場において、出版市場自体は日本よりかなり大きいのに対し、マンガ市場はアメリカ産のマンガ/コミックスを含めても日本の4分の1くらい。アメリカ国内において、普通の人が普通に選ぶ娯楽としてのマンガの位置づけが、日本においてのそれと違うことは市場規模からもわかると思います。特にアメリカでは、日本のマンガは十代で卒業するものとして扱われていて、大人も読むものという認識が広まっていません。アメリカで日本の青年マンガがなかなか売れないのはそのためです。
 ブームが起きたおかげで日本のマンガ市場は注目されましたが、アメリカの映画やゲームなど他のコンテンツと並んだわけではなく、一度市場として伸びたあとにニッチ市場として定着したというほうが近いと思います」

 日本のマンガ・アニメはジャンルが細分化された上でテーマ性も深く、その多様性が魅力のひとつと言われている。やはり、一般市場でメガヒットを狙うよりも、ニッチ市場で確実に心に刺さる相手に向けて発信していくほうが戦略として有効ということだろうか。

「というよりも、ニッチ市場に売る場合と、一般市場に売る場合とで、戦略を分けて考えたほうがいいですね。たとえば、マンガではなくアニメの話ですが、前回のSUGOI JAPANでグランプリとなった『魔法少女まどか☆マギカ』はいい例です。私も大好きな作品ではありますが、日本での受容がどうあれ、あの作品を海外の一般市場に出していくのは簡単ではありません。というのも、第一に絵柄がネックになってしまう。内容的には大人にも見てほしい作品ですが、アメリカではペドフィリア(幼児・小児を性愛性的対象にする嗜好のこと)に対するタブー感は日本より強いですし、一見子供向けと思われる作品を大人が好むことへの感覚も違い、男性が『まどマギ』のような絵柄の女の子を好きだとは公言しづらいと思います。「好きだけど言えない」のではなく、そもそも心のストッパーがかかってしまう場合もあります。作品が優れているので、どうしても「中身に触れてもらえればきっと伝わる」と思いがちですが、本当に面白がるためには文化的文脈も理解しなくてはならないんです。わたしたちは、社会的背景や宗教観が違えば面白いと思うものも異なることはわかっているはずなのに、つい「良いものは伝わる」と考えてしまう。もちろん、どの国にも熱心なファンはいるので、そうした方々からは『まどマギ』も高く評価されていますし、国境を越えて愛される作品もたくさんあります。ですが、熱心なファンだけをターゲットにしていては市場が小さい。対象を広げたいなら、そうした背景を理解したうえで、戦略を練っていかなくてはなりません。そのためにやはり、売りたい国の市場の日本マンガの売上や受容の様子だけを見るのではなく、売りたい国で作られた現地産のマンガ/コミックス市場全体を含めた文化状況の調査が不可欠だと思います。このように現地の状況を理解した上で、コアなファンに向けて売るときは仕様を豪華にして限定的に高値で売り、一般層を意識した作品を売るときは、たとえば絵本的な内容のものにするなど、売り方を工夫する現地の出版社も出てきています」

 想定する消費者によってパッケージを変える、というのはマーケティングの基本だ。たとえば古典文学の表紙を人気マンガ家に描きおろしてもらうなど、幅広い層に届くようアプローチを変えて演出することは、日本においても多々あることだ。

「日本とは別のアプローチで人気が高まる、ということは少なからずあります。たとえば小説家の中村文則さんは、日本では芥川賞を受賞するなど、純文学作家としての評価の高い方ですが、アメリカではジャンル小説、例えばミステリーやノワール系小説の名手として知られています。ほかにもパッケージの話でいうと、ハリウッドで映画化された『オール・ユー・ニード・イズ・キル』は、日本の最初の装丁とアメリカで最初に出た装丁ではずいぶん違います。恐らく現地の出版社が読書層を考えて敢えて変えたのではないでしょうか。『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の場合は「日本のラノベが映画になって逆輸入された」と話題にもなりましたが、実をいうと、日本のライトノベルは一時期出版点数が上がったものの、今までアメリカの市場ではマンガほど注目されてきませんでした。でも、今また、改めて力を入れようとする出版社も出てきています。10代の読者を狙ったヤングアダルト向けの小説は、アメリカではメディアミックスの効果が高い上に対象年齢を超えて読まれているという統計資料があり、近年話題のジャンルです。ヤングアダルトと親和性の高いライトノベルを含め、日本の小説のこれからの動向にも個人的には注目しています。」

 ニッチ市場とはいえ、日本のコンテンツは確実に注目を集めている。その上で、アメリカでさらなる市場拡大を図るため、何よりも最初にすべきことがあると椎名さんは言う。

世界最大規模のコミックス・イベント「サンディエゴ・コミコン」2015年会場。映画、テレビドラマ、ゲーム関係の展示も多数。

「巨大なアメリカ市場への進出は、世界中のコンテンツ業界が狙っています。ありとあらゆるコンテンツが溢れるなかで戦うには、作品のクオリティが高いのは前提として、そのよさをわかってもらうためにどう演出してどう売り込んでいくかにかかっているでしょう。そのためには現地の流通の仕組みに加え、先ほども言ったとおり、マンガで言えば現地産のマンガ/コミックスや出版全体、更には映画等、他の分野も含めた現地の文化的状況全般を知ることも不可欠です。コアなファンの意見だけに耳を傾けるのではなく、一般消費者たちがなにを望んでいるか、宣伝してくれるかもしれない現地の一般の報道メディア、ひいては知識人たちがどう受け取るかも考えなくてはなりません。先ほどの『まどマギ』の例をはじめ、日本側の意図とは違う伝わり方をすることは多々あります。もちろん、海外で流通させるにはそれだけで莫大な費用がかかりますから、マーケティングに余力が残っていないことも多いでしょう。日本市場とちがって予測がつきにくいぶん、投資に見合うだけのリターンが得られる確証もないので踏み切るのもなかなか難しいはずです。ですがマーケティングのやり方いかんによっては、市場をもっと押し広げていくこともできるかもしれません。
 ニッチとはいえ、日本のマンガが市場として定着したことには意味があります。確かに、かつてのブームは去ってしまいましたが、2000年代にたくさん露出したことで、日本のマンガの絵柄や文法にアメリカ人が慣れてくれました。これは非常に重要で、以前は「こんなに目が大きな人間の絵は気持ち悪い」なんて言われていたものが、今では本屋にコーナーを作られるほど当たり前のものになったんです。慣れたということはつまり最低基準があがったということ。この下支えがある今こそチャンスだと考えるべきですし、そのためにも売り出したい相手国の市場のみならず文化状況全体を知ることが大事だと私は思います」

〈躍進する日本コンテンツレポート:2〉
『告白』が北米で大ヒット!
――湊かなえインタビュー

 海外ではニッチな市場に偏りがちな日本のコンテンツのなかで、前出の椎名さんも、アメリカにおいての動向に注目しているという小説ジャンル。2014年だけでも、円城塔氏の『Self-Reference ENGINE』が米国P・K・ディック賞特別賞を、上橋菜穂子氏が国際アンデルセン賞作家賞を、中村文則氏が米国デイビッド・グーディス賞を受賞するなど、国際的な評価は高まっている。  なかでも、今、注目を集めるのが湊かなえさんだ。第1回「SUGOI JAPAN」エンタメ部門で堂々5位を獲得したデビュー作『告白』は、昨年『Confessions』として英訳刊行されたのをきっかけに、アメリカ『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙で2014年ミステリーベスト10に選出され、ストランド・マガジン批評家賞最優秀新人賞にノミネート。さらには、全米図書館協会ヤングアダルト図書部門が毎年授与するアレックス賞を受賞した。また『ロサンゼルス・タイムズ』紙では、「『告白』は日本の『ゴーン・ガール』だ」と、映画化された現地ベストセラー小説と比較評価もされている。そんな湊さんに現在の心境と海外への可能性についてお話をうかがった。

先入観のない海外だからこそ、純粋に評価された

「刊行から1か月もたたないうちに『ロサンゼルス・タイムズ』などに掲載された書評を送っていただいて、好意的に取り上げていただけていることを知りました。インターネット上での感想もあわせて見るに、国内読者の感覚とあまり変わらないように感じますね。日本で『告白』が出版されたときには、『物語に集中しすぎて電車を乗り過ごしました』という感想をよくいただきましたが、アメリカでは電子書籍が多く流通しているようで、『夢中になりすぎて、満タンだったバッテリーが気づいたら5%になっていた』という方がいて、一気読みの定義も変わるものだなあと面白かったですね。そんなふうに国を超えて楽しんでいただけるのは嬉しいですし、読者人口の分母が広がれば日本の小説にもまだまだチャンスはあるのだと実感しています」

 今年5月に刊行されたフランス語版は、70年の歴史を誇るフランス推理小説大賞にノミネート。惜しくも受賞は逃したが、国際的な評価は確実に高まっている。

「フランスでは刊行の際にタイトルを変更させてほしいといわれ、『Les Assassins de la 5e B』――『5Bの殺人者たち』というタイトルとなりました。5Bというのがおそらく“5年B組”というような中学2年生をあらわす言葉で、かなり学園ものによせているんですね。アレックス賞も“十代に読ませたい大人の本”というコンセプトで寄与されるものですし、もしかしたら十代のほうが、教室を舞台にしているぶん感情移入しやすいのかもしれません。実をいうと私も、『告白』は中学生をはじめとする若い方々に読んでほしいと思っているんですよ。大人はどうしても道徳や倫理観に縛られて作品を判断してしまいがちですが、そうした常識にとらわれない十代の方に読んでいただいたほうが、より物事の善悪についても深く考えてもらえるんじゃないかと思うんです。
日本でも、刊行当初は大人と子供の読者が半々くらいだったんですが、だんだん“イヤミス”という言葉が独り歩きして、読後感の悪いミステリーとして扱われることが多くなりました。そのおかげで多くの方に手にとっていただけたのは事実なので、ありがたいことではあるんですが、先入観を植えつけられてしまいました。海外では私の来歴も知られていませんし、事前情報がないぶん、純粋に物語そのものを評価していただけたのではないかという気がします」

誰にとっても地続きの世界観が、国境を超えた

『告白』が日本同様、海外でも瞬く間に評価された理由について、ご自身ではどう感じているのだろう。

「物語の舞台が誰にとっても地続きの世界であってほしい、もしかしたら自分の住んでいる街で起きている話なんじゃないかと読者に感じてもらえる世界を描きたい、と思って書いているので、それがよかったのかもしれません。例外もありますが、基本的には舞台となる地域は限定せず、登場人物の描写も必要以上に書かないようにして、読む方がそれぞれに自分や自分の知っている人を思い浮かべられるように意識をしています。だからこそ海外の方にも、日常の延長としてとらえていただけたのかなと。異国の話としての興味もあるかもしれませんが、想像もつかない話に没入するのはなかなか難しいでしょうし、バッテリー切れになるほど夢中になってくださったということは、やはりどこか共感するものを持っていただけたのではないかと思います」

 特に『告白』は章ごとに語り手が異なり、ひとつの事件がそれぞれの立場によって様相を変える。その物語が反転する様と、描かれる繊細な心の機微が国を超えて読者の心をとらえたのかもしれない。

「『告白』を書いているときはずっと、大切なものを奪われたときに人はどうなるのか、奪う側の人たちはどうしてそんなことをしてしまうのか、ということを考えていました。事件が起きるにはなにか理由があるはずで、誰かが死んでしまったとしたらどうしてそんなことになったのかを私は描きたいんです。その人の人間性が表れるのは、やはり追い詰められたとき。隠してきた弱さだったり、逆に思いもかけない強さだったりが炙り出されていく様を描いているから、物語にぐいぐい引きこまれて最後まで読んでいただけているのかなと思います。そのなかで、自分は誰に一番近いだろう、自分だったらどうするだろうというふうに重ねて読んでもらえたら嬉しいですね」

電子書籍が広げる、世界中の読書の可能性

 来月は台湾での初サイン会が控えている湊さん。『告白』は台湾でも重版がかかるほどの人気だ。『告白』が出版されているのは中国、韓国、タイ、イタリア、アメリカ、フランスの現状7カ国。アジア諸国では湊さんの作品は日本版とほぼ同時に発売されるが、欧米では『告白』に続く作品の刊行が進行中だという。

「今は電子書籍でも刊行されるので、世界中の方々に読んでもらえる可能性がありますよね。とくに英語は、第一言語としてだけではなく公用語として使用している国がたくさんあります。イギリスの保護国だったトンガもそのひとつ。私は1996年から2年間、青年海外協力隊としてトンガに行っていて、今年、約20年ぶりに当時お世話になったホストファミリーの家を訪ねたんですが、小説家になったと伝えたところすぐに英訳版の『告白』をダウンロードしてくださいました。トンガの本屋さんに並んでいなくても、今はみなさん、携帯電話やタブレット端末を持っているのですぐに入手できるんです。英語版のWikipediaやAmazonの感想を見たのか『アメリカでも評価されているんだね』『映画はアカデミー賞の候補に残っていたんだね。観てみたいから探しているよ』と帰国後にメールをいただきました。本の感想についてはあまり深く書かれていませんでしたけどね(笑)。キリスト教の国ですし、日本人よりもずっとピュアな方々なので、内容にはだいぶ衝撃を受けたんじゃないでしょうか。ですが“他の作品ももっと読みたい”とおっしゃってくださったのは本当にうれしかったです。
トンガは本を読む習慣がそもそもあまりないのですが、電子書籍が普及することでこれからどんどん“読書”という文化が根づいていくのだと思います。トンガだけでなく、これから“読書”を新しい趣味としていく国や人が増えていくなかで、自分の作品もまぜてもらえるのだと思うと夢が広がります。いずれ、海外で評価された作品が日本に逆輸入されるなんてこともあるかもしれません。英訳版が一冊出ることの影響の大きさを肌で感じましたし、今このタイミングで彼らに会いに行けてよかったと思いますね」

 活躍の場が世界へと広がっていくなかで、小説を書く姿勢を変えるつもりはないと湊さんは言う。

「これは日本においても同じですが、読者を意識しすぎると物語が小さくなってしまう気がするんです。こういうものを書いたらウケるかな、と狙ったものは、何かの後追いでしかありません。だからこれまでと変わらず、私が見たい、知りたいと思っている世界を書き続けていきたいです。そもそも、海外で何がウケるかなんて考えてもわかりませんしね。
 フランスではタイトルだけでなく、装丁もずいぶんと変わりました。いかにも東洋人らしい、性別も年齢もわからない誰かの目を印象的に写した写真が上部に配置され、下部には木製のまな板の上に切り落とされた魚の頭部が転がっているという、インパクトは強いけれどとても不思議な組み合わせ(笑)。日本だったら絶対に拒否していましたが、『今ベストセラーに並んでいる本の装丁はたいていこういうものなんです』とエージェントの方が資料付きで送ってくれましたし、フランスにはフランスの好みがあるんだろうと任せた結果、賞にノミネートされました。国によって、流行りも感性もまるでちがうということですよね。パッケージがどうであれ、小説の内容は同じですし、そのままで面白いと言っていただけている以上、これからも自分の書きたいものを書いていけばいいのかなと思います。
 今後、『告白』以外の作品も翻訳されていくなかで、もしかしたら日本で人気の作品とは別のものが人気になるかもしれない。そういった反応を含めて、これからを楽しみにしています」

(2015年10月2日、三宮「Lakshimi」にて〈湊かなえ〉/10月10日、白金台にて〈椎名ゆかり〉/取材・文=立花もも 写真=迫田真実〈湊かなえ〉)

PROFILE

椎名ゆかりしいな・ゆかり

専門は北米のコミックスと海外における日本のマンガの受容について。コーディネーター、ライター、コミックス翻訳者、東京藝術大学非常勤講師(マンガ文化論)など様々な分野で活躍。2011年より2012年まで、文化庁文化部芸術文化課支援推進室研究補佐員をつとめた。WEBサイト「アニメ!アニメ!ビズ」にて、北米マンガ事情に関するコラムを連載中。https://twitter.com/ceena_j

作品紹介

『サーガ』(1~3巻)

ブライアン・K・ヴォーン/作 フィオナ・ステイプルズ/画 椎名ゆかり/訳
小学館集英社プロダクション

 科学を信奉する種族の住まう銀河最大の惑星ランドフォール。対してその衛星リースには、魔法を使う種族が住んでいた。対立する二つの種族の兵士アラーナとマルコの恋を描いたSFファンタジー・コミックス。アメリカでの人気が高く、コミックスの読者層を広げた作品と言われている。

PROFILE

湊かなえみなと・かなえ

1973年、広島県生まれ。2007年、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞しデビュー。収録作『告白』は第6回「本屋大賞」を受賞し、累計350万部突破の大ベストセラーに。2012年、『望郷』に収録された「海の星」で第65回日本推理作家協会賞短編賞を受賞。ほか著書に『贖罪』『Nのために』『夜行観覧車』『白ゆき姫殺人事件』『絶唱』『リバース』など多数。

作品紹介

『境遇』

湊 かなえ 双葉社 双葉文庫

 政治家の夫を持つ陽子は、デビュー作である絵本『あおぞらリボン』でベストセラーを打ち出した注目の絵本作家。だが、親友の新聞記者・晴美とともに、幼いころ親に棄てられた過去を持っていた。そんなある日、脅迫状とともに陽子の5歳になる息子が誘拐される。犯人の要求する「真実」とは? 文庫最新刊。

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