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エンタメ小説 SUGOI 20
「階段島」シリーズ
作品名

「階段島」シリーズ

(以下2作品含む)
『いなくなれ、群青』
『その白さえ嘘だとしても』
著者名
河野裕
出版社・出版レーベル
新潮社 新潮文庫nex
刊行
2014年9月刊行スタート

※シリーズ該当タイトルはノミネート作品のエントリー締め切り(2015年7月31日)時点のものです。現在は続巻が刊行されている場合があります。

捨てられた人々が集められ、魔女に管理される島で出会った少年少女。失ったものは何かを読む者すべてに突きつける青春ミステリー。

STORY

捨てられた人々が集められ、“魔女”に管理される「階段島」。島を出る方法はただひとつ、自分が失ったものを見つけ出すこと。高校生の七草もまた、2000人近い住人たちと同様に、島へくる直前の記憶を失い、自分がなぜ、誰に捨てられたのかもわからないまま、島で何不自由ない生活を送っていた。ところがある日、彼の前に一人の少女が現れる。二年前に別れて以来一度も会っていなかった彼女の名前は、真辺由宇。「納得できないことは許せない」彼女は、島のルールも停滞した平穏も打ちこわし、島を取り巻く謎と魔女の正体に迫っていく。

作品の魅力

閉鎖された空間で深まる謎、少年と少女の出会い、魔女をとりまく現実離れした世界観。ファンタジーとミステリーを融合した本作の、テーマは徹底して「青春」である。人はみな、大人になるにつれて諦めを知り、大切だったはずの何かを失っていく。誰しもが抱く郷愁と残酷な現実を、七草のどこか諦念に満ちた哲学的なモノローグと、どんな時もまっすぐで諦めることを知らない由宇の対比を用いて描くことで、読者を安易な結論に導くことを許さない。島の秘密のからくりはある意味で残酷なものだが、その残酷さをラスト数ページで反転させる構成は見事である。

DATA

・2015年、「大学読書人大賞」受賞。

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