SUGOI JAPAN Award2016 マンガ、アニメ、ラノベ、エンタメ小説。日本のスゴイ!を、世界のスゴイ!へ。

エンタメ小説 投票対象作品

エンタメ小説 SUGOI 20今の日本を代表するスゴイ作品群。
一般ファンと有識者の推薦をもとに議論を重ね、
約20作品を「SUGOI 20」として選出しました。

※サムネール画像をクリックすると、各「SUGOI 20」の詳細情報をご覧いただけます。

※作品掲載順は、50 音順。

商標について

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「SUGOI 20」セレクトの流れ(各コンテンツホルダーおよび著者への確認含む)

まず、以下の方々から推薦作品をあげていただきました。
・一般推薦(7月1日~7月31日)※約1500もの熱い推薦を寄せていただきました。一般推薦にご協力くださった皆様に心からお礼申し上げます。
・大学サークル(26サークル)からの推薦
・業界関係者(研究者、ライター、編集者等、のべ45名)からの推薦
・各ジャンル10名のセレクターからの推薦
次に、これら推薦作品を統合して下地となる集計リストを作成し、それをもとに選定委員3名(ラノベは4名)+SUGOI JAPAN実行委員会(読売新聞社+山本充:元ユリイカ編集長+横里隆:元ダ・ヴィンチ編集長)で選定会を開き、各ジャンル20数作品を選定いたしました。
その後、候補作品のコンテンツホルダー、著者(著作権者)の方々に許諾依頼をさせていただき、ご了解いただいた作品を投票対象作品「SUGOI 20」として確定いたしました。

投票対象作品「SUGOI 20」選定基準

  1. 「この素晴らしい作品を日本国内だけでなく世界でも大ヒットさせたい」かつ「世界でも大ヒットするにちがいない」と思われる作品を選定させていただきました。
  2. その際の選定基準として、以下3点を重要な要素といたしました。
    ①普遍性:地域・文化・言語の壁を越えた普遍的な魅力を持ち、世界的に通用するであろう作品
    ②オリジナリティ:作品のストーリー・設定・キャラクターなどに他にはない独創性、アイデア、仕掛け、表現力を持っている作品
    ③作品力(ポテンシャル):世界でより広く受け入れられるような潜在力・ポテンシャルを持っている作品

※今回の選定は、原則、お一人の作家に関して一作品とさせていただきました(ただしアニメは除く)。これには異論反論等あるかと思いますが、少しでも多くの優れた作家を選定させていただきたいという考えでこのように決めさせていただきました。ご理解いただけましたら幸いです。

作品の対象期間

マンガ、ラノベ:巻数を重ねることで作品の評価がしやすくなる、という理由から、2012年1月1日~2015年7月31日の過去約3年半を一つの目安としました。
エンタメ小説:文庫化も含めてある程度以上の人が作品に接することができる期間、という理由から、2012年1月1日~2015年7月31日の過去約3年半を一つの目安としました。
アニメ:シリーズ毎に評価することが一般的であることと、1年間あたりの作品数が多いことから、2014年7月1日~2015年7月31日の過去約1年間を一つの目安としました。

「エンタメ小説 SUGOI 20」選定総評

市川真人(評論/早稲田大学准教授)

市川真人(評論/早稲田大学准教授)

 そもそも「エンタメ」とは何かという定義で、去年も今年も大きく議論がありました。現象や消費も含めて「エンターテインメント」と捉えれば、又吉直樹『火花』はその側面で誰より世間を楽しませました。でも、海外で読まれるときには別の側面での勝負になります。“国内で楽しまれている”、“海外で楽しまれる可能性がある”、“現象として楽しく消費された”、“作品として純粋に楽しい”……エンターテインメント性には多様なチャンネルがあり、その混在が「エンタメ小説」という括り方の、特徴であり利点だと思います。村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』や上田岳弘『私の恋人』は従来の日本の基準では「純文学」で、決して「エンタメ」とは呼ばれませんが、「エンタメ小説」という枠組みでの審査だからこそ、“これもまた楽しい作品なのだ”という評価を集めたのだと思います。
 欲をいえば、投票者のみなさんには、好きな作家に票を投じるだけでなく、ノミネート作品を一冊でも多く新たに読んで「こんな楽しさもあるのか」と知ってもらえたら、と思います。羽田圭介『メタモルフォシス』なんて「SMが楽しい」という話ですから(笑)。自分にとって既知の楽しさだけでなく、未知の楽しさに出会える機会に、SUGOI JAPANがなれたらと思います。

大森望(SF/ミステリ評論)

大森望(SF/ミステリ評論)

 今回は、『火花』はじめ、芥川賞・直木賞を射止めた非常に有名な作品もあれば、「階段島」シリーズのように、既存の文学賞では候補になりにくい、ライトノベルと一般小説の中間に位置する文庫書き下ろしの小説もノミネートされています。ジャンル別に見ると、ファンタジーからは『図書館の魔女』が、伊藤計劃さんの登場以降、世界的にも注目されている日本SFからは『オービタル・クラウド』『know』『BEATLESS』『盤上の夜』『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』など、一般的な知名度は低くても非常に評価の高い作品がたくさん入りました。いまの日本のエンタメ小説の活きの良さを、このリストから十分、感じ取っていただけるんじゃないでしょうか。
 ファンタジーやSF、ミステリーなど、一定の様式のあるものは国境を越えて支持されやすいですし、今は宮崎駿や押井守の日本製アニメに影響を受けて小説を書く海外のSF作家も珍しくありません。日本のオタク文化がグローバルに広がるなか、『BEATLESS』『南極点のピアピア動画』のような、本家・日本で生み出されたロボットSFが英訳出版されたら、米国の読者にどのように受け止められるのか、非常に興味深いですね。

杉江松恋(ミステリ評論/ライター)

杉江松恋(ミステリ評論/ライター)

 ノミネート作品数が昨年に比べて半分以下ということで、選定にはやや苦労しました。個人的には、新本格ミステリーが登場したときのような「小説でこんなことができるのか」という驚きをもった作品を入れたかった。たとえばライトノベル的な青春小説とミステリーの融合がなされた小説や、銃や暴力という固定概念からはずれた表現で描かれた犯罪・暴力小説など、入れたい作品はいくつかありましたが、数を絞るとなると、一般性の低い作品から外すことになりました。ですがそれをふまえた上でも、純文学から時代小説、ミステリーまで幅広く、いまの日本におけるエンタメ小説の多様性をうまく表現したリストになったのではないでしょうか。
『アリス殺し』のような、全世界を見ても日本でしか作例のない、トリッキーでアイディアの詰まった作品がどのように評価されるのか楽しみですし、同じ俎上に純文学作品が並んで争うというのが非常に面白いですね。投票者の方にはぜひこのリストを手掛かりに、面白いと思った作家のほかの作品や、その作家と同じ並びにある文庫を手に取ってみるなど、さらに楽しんで頂ければと思います。