スペシャルレポート Vol.14 マンガは心の栄養補給 溢れるマンガ愛 生駒里奈

 AKB48の公式ライバルグループ「乃木坂46」の中心メンバーである生駒里奈。自宅には1000冊以上のコミックを保有するという大のマンガ好きで知られているが、実はマンガだけに限らず、その興味はアニメ、ラノベ、エンタメ小説を含むサブカル全般に及んでいる。そんな彼女は、SUGOI JAPANのノミネート作品をどう見るのか。好きな作品や気になる作品、溢れるマンガ愛、物語愛などについて話をうかがった。

マンガを読むのは、息をするのと同じくらい自然なこと

生駒 とにかくマンガが大好きなんです。自分には絶対に経験できないような世界を見せてくれる非日常感に浸かりたくて。どんなに仕事が忙しくても、マンガを読めばリフレッシュできるし、移動中の車で「少し寝とこうかな」というときでも必ずマンガを読んでからにします。おかげでよほど体調が悪くない限りは、車内で読んでも酔わなくなりました(笑)。逆に、マンガを読めない時間が続くとイライラしちゃうんですよね。わたしにとってはマンガを読むというのは、生活というより体の一部。息をしたり、心臓が動いたりするのと同じなんです。時間があれば、止められるまでずーっと読んでます。「ああっ、いまいいところなのに~!」ってじたばたしながら、毎回お仕事に行ってますね。


――マンガの世界にハマったのは、中学生のときに友人からマンガを貸してもらったことがきっかけだとうかがいました。


生駒 両親がマンガ好きで、生まれたときから家にたくさん本があったので、もともと遺伝子的にも読む人ではあったと思うんです。小学生のころは『ちゃお』とか『りぼん』とか、少女マンガばかり読んでいたのが、中学1年のときに友達から『銀魂』を貸してもらったことで一変したんです。『銀魂』って、主人公の銀さんが初登場シーンに言う最初の台詞が「ギャーギャーギャーギャーやかましいんだよ 発情期ですかコノヤロー」で。なにこれ、こんな主人公今まで見たことない!って一気にハマりました。中高生が「おもしろい!」って思う絶妙のギャグを入れてきますし、だからといってただ笑えるだけじゃなくてシリアスな長編ではかっこいい銀さんの姿も見られるし、ひとつのマンガのなかにたくさんの要素が描かれているんですよね。そこから『週刊少年ジャンプ』を読むようになって、主人公が何かに向かって一生懸命頑張っていたり、仲間と冒険して一緒にひとつのものに立ち向かっていったりする姿にときめくようになりました。いま一番好きなのは『NARUTO』。チャクラをためて螺旋丸(らせんがん)を放つとか、そんなことはわたしには絶対できないけど、それを成す姿がかっこいいし魅力的なんです。


――今回のノミネート作品のなかで、特にお好きなものはありますか?


生駒 う~ん、そうですね……。読んだことがあるのは『黒執事』と『海月姫』と『となりの怪物くん』と……あ、あと『七つの大罪』、『ワンパンマン』、『妖怪ウォッチ』、『暗殺教室』、『ハイキュー!!』。『亜人』も読みましたね。もちろん『進撃の巨人』も。『トリコ』に『黒子のバスケ』、『ライアーゲーム』、『青の祓魔師』……それから……。


――ほとんど全部ですね(笑)。


生駒 だいたい読んでます(笑)。でなければこれから読みたいなと思っていた作品ばかり。とはいえ、全部に詳しいわけではないんですが……。
 SUGOI JAPANの投票は(ジャンルごとに)一人3票なんですね? わたしがマンガでおすすめを3作品選ぶとしたら、まずはやっぱり『黒執事』。絵が耽美できれいですし、執事っていうビジュアルが強いので、どうしてもそこに注目されがちなんですが、ストーリー自体もとてもおもしろいんですよ。決してハッピーな展開の作品ではないと思うのですが、ギャグもあるし、哀しみのなかに描かれる美しさもあるし、世界観のすべてに憧れます。基本的には単行本で読んでいるんですけど、たまにどうしても我慢できなくて雑誌(『月刊Gファンタジー』)を買っちゃいますね。常にわたしの理想を与えてくれる作品です。
 2作目は『銀の匙』。基本的にはファンタジー、とくにダークな要素が描かれている作品が好きなんですけど、これは農業高校に通う生徒たちが主人公。舞台は日常ですけど、とってもおもしろいんです。現実に起こっている農業や畜産の問題……たとえば牛を育てる農家が少なくなったとか、そういうことを取り扱ったうえで、それでも頑張っている人たちがいるってことを教えてくれます。この作品を読んで改めて、ちゃんと「いただきます」しようって思えました。自分たちで育てた豚が食用になる話なんかは「あぁ……」って切なくなったりもするんですけど、そういう過程を経てわたしたちのところにはごはんが届くんだってこともよくわかりました。しかも描かれるごはんがどれもすっごくおいしそうだから、よけいに身にしみるんですよね。これを読んで、もっと畜産や農業に興味を持つ若い子が増えたらいいなって思います。楽しいことばかりじゃない、大変な現実が描かれているからこそ伝わってくるものがある、すごくいい作品です。


――1作品ごとに、かなり深いところまで読み込んでいるんですね。


生駒 ありがとうございます。読むのは早いですけど、流し読みをすることはないので。どの作品も、いっつものめりこんで読んでます。だから選ぶの難しいなあ。う~ん、最後のひとつは……『亜人』にしようかな。
 これを読んだときは本当に衝撃で。始まりは普通の日常なんですけど、亜人っていう、人ならざる「死なない存在」が出てくるんですよ。でもまだ、亜人が本当はどういうものなのか明らかにされていないところがあって、だからこそよけいに考えさせられます。亜人は、作中では悪いものとしてとらえられがちなんですけど、「わたしたちは一方的にこうだと思っていることも、逆側から見たらこうなのかもしれないなあ」っていう、ものの見方を転換させられる部分もあって。みんなが亜人を差別したり迫害したりするのは、けっきょく自分たちより強い力をもった亜人が怖いからなんですよね。だけど主人公をはじめとする亜人は、人を脅かそうとして強いわけではなくて、自分たちが生きていくためにできることをしているだけで。そうした物語には切なさもあるけれど、それぞれが信念や考え方をもって生きていくんだ、ということを教えてくれるんです。


理想のアイドル像は、二次元の男の子や女の子

――マンガのなかにはアニメ化される作品もたくさんありますが、アニメはよくご覧になりますか?


生駒 好きです。でも、どっぷりハマって観るようになったのは、じつは東京に出てきてから。地元の秋田だとチャンネル数が少ないので、どうしてもDVDを借りたりするしかなくて。最初にハマったのは『犬夜叉』ですね。主人公のかごめが戦う姿がとてもかっこよかったし、はじめて二次元の男の子を好きになった作品でもあります。わたしはアイドルなので「恋愛禁止」というルールがある中でそのこと自体は苦じゃなくて。人間に興味がないわけじゃないんですけど、二次元にはすごく魅力的なキャラクターがたくさんいるから。自分の意志を持って敵に立ち向かっていく姿も、アニメになると声優さんの力で命が吹き込まれて、もっとリアルに伝わってくるし。ルックスだけじゃなくて、生き方や考え方も含めて「わたしもそんなふうになりたい!」って憧れるんです。


――ご自身の抱く理想のアイドル像みたいなものが、そこに投影されていたりするのでしょうか。


生駒 そうですね。現実よりも、どちらかというと二次元に対する憧れのほうが大きくて、一番尊敬しているのはナルトです。彼みたいに強くてがんばれる人になりたいっていつも思っています。


――アニメ部門のノミネート作品のなかではどれがおすすめですか?


生駒 もう、だんっぜん『Free!』。わたしの夏を支えてくれた作品です。大好き!ぱっと見の印象は、イケメンが水着で泳いでいて(笑)、みたいな感じかもしれないですが、物語の展開がすごくおもしろいから、キャラクターたちと同じ気持ちになって「がんばれ~!」って応援しちゃう。みんなで全国大会へ行こうとか、自分では味わえない青春をかわりに体験させてくれているところにときめくんです。
 『進撃の巨人』は、マンガももちろん面白いですが、アニメだと立体起動のアクションがすごくかっこよくて好きですね。この作品って、絶望しかないんですよ。ふつうは、どんなに絶望が描かれていても必ず最後は希望がある展開になると思うんですけど、いまのところすべてが絶望になってしまっている。だけど、それでもあきらめずに戦う姿がいいんだと思います。アニメは迫力満点なので、観ながらいっつも泣きそうになっちゃいます。
 あとは『電脳コイル』も観てましたし、『TIGER & BUNNY』や『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』も好き。『あの花』は1話目からぼろ泣きしちゃいました。歌もいいんですよね。


――たくさんの作品を網羅していますね。でも、忙しいとなかなか時間が取れないとも思うのですが……。


生駒 本当は小説も好きなんですけど、文章の場合は情景を想像しながらじっくり読みたいんですよ。時間がないときに読んじゃうと、全然楽しく読めない。その点、マンガのほうが絵で示されているわかりやすさがあるし、言葉も頭に入ってきやすい。短時間でもすぐに想像できて楽しめるので、最近はもっぱらマンガばっかり読むようになりました(笑)。


マンガは心の栄養補給

――ラノベやエンタメ小説は、どんな作品がお好きなんですか。


生駒 やっぱり、ちょっとファンタジーというか、不思議な要素が入っているものが好きですね。あとはちょっと残酷だったり、日常では起こらないようなことが描かれている作品。ラノベは友達に勧められた『デュラララ!!』がきっかけで読むようになりました。舞台は池袋で、現実世界の話ではあるんですけど、そのなかで“ありえない”ことがたくさん発生するんです。池袋に行くときは、もしかしたらセルティ(主人公)とかがいるんじゃないかなって妄想して、一人でにやにやしながら歩いてます(笑)。物語って、読むのもいいですけど、そうやって「もし自分が同じ世界に入ったら」って想像するのも楽しいですよね。
 あとは『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』、『ひぐらしのなく頃に』も読んでました。……あ!『ミスマルカ興国物語』がノミネートされてる! これすっごく好きでした。ラノベを読んでいると、「そういうの読むんだ?」と意外に思われがちなんですけど、一般文芸に負けないくらい深い世界観で描かれていたりするんです。中学時代、朝読(あさどく)の時間はラノベばっかり読んでました。『STEINS;GATE』も読みましたけど、これはアニメから入っちゃってますね。


――原作と映像化作品、どちらに先に触れるタイプですか?


生駒 基本的には原作派です。知らずにだったり、流れだったりで、アニメや映画を先に観ることはありますけど、原作のほうがやっぱり、作者の表現したいものがいちばんあらわれていると思うので。エンタメ小説部門にノミネートされている『Another』はマンガから入ったので、小説も読みたいなあとずっと思っています。『告白』は流行っていたこともあって読みました。あれも、ある意味グロテスクなことが描かれているので衝撃を受けましたね……。そういうのって、小説だからこそ描ける世界だと思うんですよ。ビジュアルがない分、いくらでも残酷なことを想像できるし、逆にあまり想像しないようにしながら読むこともできて、自由度が高い。映画で観てから原作を読むというスタイルもありますが、だからといってそのときに必ずしも映像のイメージを固定しなくてもいい。そういうおもしろさが小説にはあると思います。


――一番はやっぱり、マンガがお好きなんですね。


生駒 そうですね。よく、マンガばっかり読んでると馬鹿になるよ、とか言うじゃないですか。でも、小説が物語を文章で表現しているのと同じことを、絵でやっているだけなんです。教科書だって、書いてあるものを絵にしたらマンガになるわけで。歴史や地理が苦手でも、たとえば『戦国BASARA』や『ヘタリア』を読むだけで案外あっさり理解できたりする。とくにわたしは、マンガの方が頭に入ってきやすいタイプなので、勉強よりもマンガで増えた知識がたくさんありますし、助けられたことも多いんです。『銀魂』のおかげでテストの点がとれたこともあるんですよ(笑)。マンガはわたしにとって、心の栄養補給でストレス発散。時間が許す限り、ずっとずっと読んでいたいです。



(2014年11月/取材・文=立花もも)

作品紹介 1

『何度目の青空か?<CD+DVD盤/Type-C>』1650円(税込)

乃木坂46 SMR

乃木坂46、通算10枚目になるシングル。Type-Cには生駒里奈のイメージ映像を収録したDVDが付属。Type-A・B・Cごとにそれぞれ映像が異なる。表題曲のミュージックビデオは、「元女子校が共学になり、入学してみたら男子は自分ひとり」という設定のもと映画監督の内田けんじが務めた。

作品紹介 2

2015年1月7日(水)、乃木坂46 1stアルバム『透明な色』発売!


<Type-A> 5940円(税込)

・DISC1:Overture+乃木坂46シングル表題曲10曲(曲順未定)+未発表曲3曲収録
・DISC2:カップリングリクエスト人気投票1位~10位獲得曲(曲順未定)+未発表曲3曲収録
・DVD:"真夏の全国ツアー2013 FINAL!"@代々木第一体育館(2013.10.6)冒頭から60分ノーカット収録!(全16曲収録)


<Type-B> 3996円(税込)

・DISC1:Overture+乃木坂46シングル表題曲10曲(曲順未定)+未発表曲3曲収録
・DISC2:カップリングリクエスト人気投票1位~10位獲得曲(曲順未定)+未発表曲3曲収録


<Type-C> 2700円(税込)

・DISC1:Overture+乃木坂46シングル表題曲10曲(曲順未定)+未発表曲3曲収録

PROFILE

生駒里奈いこま・りな

1995年12月29日、秋田県生まれ。乃木坂46の1期生としてデビューし、現在AKB48のチームBを兼任。乃木坂46の全シングルにて選抜入りをし、中心メンバーとしてテレビのバラエティやドラマ出演、雑誌などで幅広く活躍する。テレビ東京系「「特捜警察ジャンポリス」にレギュラー出演中。2014年6月、『AKB48 37thシングル選抜総選挙』にて14位にランクインし、初めてAKB48のシングル選抜メンバーとなった。