<エンタメ小説>
ノミネート作品「SUGOI 50」

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死神の精度

<作品名>

死神の精度

<著者名>

伊坂幸太郎

<出版社・出版レーベル>

文藝春秋 文春文庫

<刊行年>

2005年刊行

刊行年は単行本の出版された年になります。

STORY

仕事をする時には必ず雨が降る、というほど極度の雨男。無類の音楽好きで、仕事の合間をみつけてはCDショップの試聴機で“ミュージック”を堪能する。そんな主人公・千葉の正体は「死神」。対象となる人間を1週間かけて調査したのち、その生死を決めるのが彼の仕事だ。電機メーカーの苦情処理部に務める地味な女に、昔気質のヤクザ、逃走中の殺人犯……千葉が出会った6人の対象者たちの人生を描く連作短篇集。

作品の魅力

「死神」というユニークな視点から、様々な事情を抱える6人の人間模様を活写し大ヒットを記録した本作。人間の生き死にを扱いながらも陰鬱な印象は与えず、むしろ最上の読後感をもたらすこの作品の魅力の一つが、人間とは異なる思考回路を持つ死神のキャラクターだ。当人は至って真面目に応対しているつもりが、その言動は微妙にずれていて毎回とぼけたようなおかしみを醸し出す。しかも実はそれが人間の本質を見事に突いた名言だったりするから油断ならない。6話全てが謎解きの醍醐味を味わえる独立した短篇として成立しつつ、ある話で登場した人物が別の話で意外な形で再登場したりと粋な演出がなされ、全話読み通した後にはより深い感動と爽快感に包まれる。

DATA

・発行部数、100万部超(2013年時点)。
・2004年、第57回「日本推理作家協会賞」短編部門受賞。
・2006年、第134回「直木賞」候補作。
・2006年、第3回「本屋大賞」第3位。
・2008年、『Sweet Rain 死神の精度』というタイトルで映画化。
・2009年、2度にわたり舞台化。
・2013年、続編『死神の浮力』発売。